【お知らせ】
東日本大震災により、被災された地域の皆さまに心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈りいたします。

アート☆さんぽ
市内のアートスポットを、アトリアスタッフが毎月取材し紹介します。 さあ、天気の良い日には、お散歩しながら街中アートを楽しもう!

~ミュージアム編~

彩の国ビジュアルプラザ 映像ミュージアム

 SKIPシティの中にあり、年に4回ほどメディア・アートを中心とした企画展を行っている「映像ミュージアム」。

 

 現在開催中の<ビジュアル・サーカス>では、映像とパフォーマンスを融合させた活動を展開している3組のアーティストを紹介しています。 会期中は、子どもから大人まで楽しめるパフォーマンスやワークショップが盛りだくさん。なかでも『15秒だけ明和電気』 は必見です。参加者は、明和電機の制服を着て作品の《オタマトーンジャンボ》 (写真右)をステージで演奏することができる上に、その様子がインターネット動画サイトに即時にアップされます。

 

  今日、飛躍的な進化を遂げている“映像”や、私たちの身近にあるメディア(社会)について作品を楽しく鑑賞しながら考えることができる展覧会です。

 

 さあ、サーカスを観に行く気分で映像ミュージアムへ出かけよう!

 

 

 

 

 

 

 

 

AR三兄弟(写真左)/off-Nibroll(写真右)


<ビジュアル・サーカス>

出展作家 AR三兄弟/off-Nibroll/明和電機
2012年4月8日(日)まで  9時30分~17時  月曜休館
観覧料 大人¥500 小中学生¥250(常設展も観れます)
SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ 映像ミュージアム

    
   アトリアニュース 2012年1・2月号掲載    
  

~プロダクト・デザイン編~

KAWAGUCHI i-mono HOTPANシリーズ

 紅葉が色づく季節に毎年行われている「アーティスト・イン・スクール」。今年の講師はプロダクトデザイナーとして活躍している齋藤善子氏。川口では、JAPAN BRAND育成支援事業(中小企業庁)の一環として「KAWAGUCHI i-mono HOTPANシリーズ」をデザイン・プロデュースしています。

 この鍋は、素材の開発から商品化までに約4年をかけ2008年から販売されているという逸品です。生活にとけ込みやすくシンプルな形が魅力のこの製品には、川口の鋳物技術が結集しており薄くて軽いのが特徴。その厚さはおよそ2mm。

 

 「このお鍋をきっかけに、世界に誇る川口の優れた鋳物技術をより多くの方に知ってもらえたら」と話す齋藤氏。人と技術を繋ぐことができる「デザイン」は、時に歴史と文化を未来に繋げるという力をも持っているのです。

 

 鍋が恋しいこの季節、川口の魅力がぎゅっと詰まったこのお鍋を見つけたら、ぜひお手にとってご覧ください。(市内では、百貨店やショップなどで販売中!)

 

 齋藤氏が講師をつとめたアーティスト・イン・スクールは、2011年11月10日(木)〜11月20日(日)の間アトリアのスタジオで「成果発表展」を行います。中学生が向き合ったデザインと職人技の数々、こちらもぜひご覧ください。


    
   アトリアニュース 2011年11・12月号掲載    
  

~アートスタジオ編~

KAWAGUCHI ART FACTORY

元鋳物工場をリノベーションし、アート活動の場となっているKAWAGUCHI ART FACTORY
 戦前は軍事工場として、戦後は機械部品製造の鋳物工場として多くの鋳物を生産してきました。転機が訪れたのは1984年。ある彫刻家が工場の一部をアトリエとして使用し始めたのがきっかけで、それ以後様々なアーティストが工場に出入りするようになったとか。


 現在は、元鋳物工場という空間を活かしながら撮影スタジオやアトリエとして活用されており、現在も8名の作家が活動しているそう。代表の金子さんは「川口の記憶を刻印するこの場所から、これからも未来に向けて新たなアートやメッセージを発信し続けたい」と語ります。


 

自社の鋳物生産を終えてからもなお、20年にわたって改装や補修を繰り返しながら工場を守り続けてきた金子さん。そこには、時を経ても変わることのない工場への想いと川口の職人魂がありました。


 


次回展  『Imaginary lines』  崔誠圭×石川雷太 展
 “見えない線”をキーワードに、ノイズやインスタレーション作品を展示。
 展覧会期 2011年9月10日(土)~19日(月・祝) 11:00~19:00 
 ※会期中パフォーマンスなどの関連イベント有り
 KAWAGUCHI ART FACTORY  Tel 048-222-2369
 川口市元郷2-15-26 日本金属鋳造工業株式会社

     
   アトリアニュース 2011年9・10月号掲載    
  

~川口の匠編~

水中カメラブランド シーアンドシー

 世界で唯一の水中撮影機材の総合メーカーとして、世界中のダイバーやカメラマンの支持を得ているシーアンドシー・サンパック(株)。実は川口市発祥のカメラメーカーであるのをご存知でしょうか。

 ブランドを立ち上げた山口正輝氏、正興氏兄弟は朝日町出身。現在も市内にカスタマーセンターを設けています。1972年 に世界初の量産タイプ水中ストロボの開発からはじまり、翌年海外輸出を開始。その後、水中カメラの防水ケース、水中ライト、水中広角レンズなどの開発に成功し、その技術の高さから、国内外を問わず様々な大手企業との共同開発に取り組んできました。魚の目線で見た水中世界の撮影ができるフィッシュアイレンズや、本格的な水陸両用デジタルカメラも、世界で初めてシーアンドシーから生まれています。

 愛用してやまない水中カメラマンも数多く、この夏、こうしたカメラマンによる展覧会やイベントも各地で開催されます。美しく幻想的な海の世界を堪能されてはいかがでしょうか?

【撮影】Tamaki Ozaki


*シーアンドシーを愛用する水中写真家のイベント情報*


尾崎たまき写真展「いまも水俣に生きる」
会期:~7月8日(金)
会場:東京・朝日新聞社本社のロビー、コンコース(東京都中央区)


スライドトークショー「うみまーる流 水中写真術」
会期:7月10日(日)11:50 ~ 12:50 ※マリンダイビングフェア(7月8~10日)内
会場:池袋サンシャインシティコンベンションセンター(東京都豊島区)


中村征夫写真展「沖縄珊瑚海道」
会期:~2011年7月31日(日)
会場:中村征夫フォトギャラリー「ブルーホール」(秋田県潟上市)
     
   アトリアニュース 2011年7・8月号掲載    
  

~川口の匠編~

渡邉政雄(金属加工・モニュメント製作)

 一人の彫刻家との出会いによって、人生を大きく変えた鉄鋼職人が川口にいます。
 ステンレス加工を得意とする鉄鋼職人渡邉政雄氏は、15歳から鉄工所で働き修行を積んだのち独立しました。当初は、ステンレスの部品加工を主としていましたが、1986年に彫刻家の建畠覚造氏と出会い、それ以後二十年以上にわたり氏の制作を請け負い各地に大きな野外彫刻を設置しました。建畠氏は、日本に抽象彫刻旋風を巻き起こした彫刻家として有名ですが、その陰にはこうした職人の支えがあったのです。
 作家のデッサンや基本図面を元に、構造的な計算をしながら実際の作品を創り上げていくのは労力のいる仕事でしたが、やりがいがあって面白かったと渡邉氏は言います。繊細な形への作家のこだわりに応えるため、ステンレスを限界まで磨き上げ、傷ひとつつけない状態で運び込み設置する作業は、神経がすり減った分その感動はひとしおだったとか。

 そして、設置から数十年経った今でも建畠氏の作品は、きらきらと輝きながら街の中で生き続けています。

  
※渡邉氏が制作を手掛けた建畠氏の作品は、日本各地にありますが市内では川口西口公園《WAVING FIGURE》と 川口市立グリーンセンター《波貌 WAVING FIGURE》で見ることができます。

「春企画展 建畠覚造 思考の一端と川口の職人たち」
4月16日(土)~5月29日(日) ※土曜は20時閉館  

会場 川口市立アートギャラリー・アトリア

【写真】 (左)渡邉政雄氏  (下)「WAVING FIGURE」の図面

     
   アトリアニュース 2011年5・6月号掲載    
  
~パブリックアート編~ 建畠覚造(彫刻家)
 

 春企画展で展示する建畠覚造氏は、川口ゆかりの彫刻家で市内でも作品を鑑賞することができます。
 ひとつは川口駅西口を出てすぐの川口西公園(リリアパーク)内にある「WAVING FIGURE」。陽の光を浴びていつもひときわ輝いています。日本の現代彫刻の先駆けであった建畠氏は常に新しい形を追い求め、86歳で亡くなる直前までその思考は衰えることがなかったといます。
 野外彫刻の制作で片腕となったのが、市内のステンレス職人、渡邉政雄氏(協伸ハイテック代表)。作家の熱い思いに応えようと技術を高めていった職人の意気込みが見事に融合した時、日本の美術界に新たな歴史が刻まれたのかもしれません。
 また、市立グリーセンターにある「波貌」は、渡邉氏と建畠氏の出会いとなった作品です。以降31作品もの野外彫刻が全国に設置されました。
 花が咲きほこる春には、アトリアでの展示とともに、お散歩しながら野外の作品鑑賞を楽しんでみてはいかがでしょうか。


「春企画展 建畠覚造 思考の一端と川口の職人たち」
 4月16日(土)~5月29日(日) ※土曜は20時閉館
 会場 川口市立アートギャラリー・アトリア

【写真】(上)「WAVING FIGURE」1992  (下)「波貌 WAVING FIGURE」1986

     
   アトリアニュース 2011年3・4月号掲載    
  
~ギャラリー編~
senkiya
 

川口市石神に、ひそかに注目を集めているアートスポットがある。
古道具や魅力あふれる小物をこよなく愛するオーナーの高橋さんは、有名なカフェでの修業経験から、観光産業が少ない川口にも足を運んでもらい人が集う「場」をつくりたいと、築40年のご自宅を2年かけて改装し、雑貨店・ギャラリーを2009年にオープン。店の細部にまでこだわり自らも改修作業を行なう。 名前は、古くから営んできた植木屋の「千木屋」という屋号を受け継いだ。ショップやギャラリーでの展示・販売に加え、時折りワークショップやライブなど多彩なイベントも行なっており、洗練された品々とオシャレな空間を求め多くの若者が集う。
 オープンから一年。人との繋がりを大切にする温もりあるsenkiyaは、すでに町の拠点となりつつあり、今後も目が離せない。
 

1月には、障害を持ったアーティストの展覧会「アートが生まれる場所」展(主催:工房集)をアトリアなど市内の4会場で同時開催するが、senkiyaでも1/8(土)~23(日)まで開催。
会期中には「4会場を巡る鑑賞ツアー」(1/8、9、15、16 ※事前予約制.)も行なうので興味のある方はぜひ!

Senkiya雑貨・gallery (cafeもopen予定)
※不定休のため来店の際は事前にご確認ください。
住所:〒333-0823 埼玉県川口市石神715   tel:048-299-4750
交通:JR武蔵野線東川口駅からバスで10分。

     
   アトリアニュース 2011年1・2月号掲載    
  
~仏像編~
興禅院の釈迦如来坐像
 

今回は、講座に関連して川口の仏像をご紹介。
室町時代に創建された安行の興禅院には、平安時代につくられたとされる木造(檜材造り)の釈迦如来坐像があります。
 
座高が82.6cmと大きくはありませんが人と等身大のそのお姿は、清らかで優美な雰囲気に包まれており、参拝者をやさしく迎え入れてくれる感じがします。
訪れた際には、本堂壁面に施されている鳳凰の勇壮な鏝絵(写真下)や、環境地理学を研究されている住職の早船さんが愛育している四季折々の草木花々や「ふるさとの森」なども、あわせてご鑑賞ください。
 
仏像は堂内で拝観してこそ、その本質を感じることができるもの。
この秋は、紅葉観賞を楽しみながら川口の仏像めぐりにでかけよう!
きっと新たな出会いがあるはず。


※来年3月の“やさしい美術鑑賞講座”では、仏像のある川口の寺院を巡るツアーを企画しています。 詳細はアトリアHPか2011年2月号の広報かわぐちでご確認ください。


 ← 仏像の足元には、こんなに小さな邪鬼が!
 (残念ですが、参拝時には見えません)




≪興禅院への行き方≫ 
川口市安行領家401
・SR戸塚安行駅より徒歩15分
・JR東川口駅南口、西川口駅東口よりバス西川04で 「花と緑の振興センター」下車すぐ
※秋冬は、16時頃閉院しますのでご注意ください。

     
   アトリアニュース 2010年11・12月号掲載    
  
~パブリックアート編~
岩田健(彫刻家)

 来年、愛媛県今治市に「岩田健 母と子のミュージアム」がオープンします。
 岩田健氏は1924年川口市本町に生まれ、中・小学校で教鞭をとりながら制作に勤しみ、彫刻家として川口の美術の一翼を担って来られました。その功績は、市内に設置されている数多くの彫刻からも見てとることができます。ブロンズの重厚な質感と柔らかな曲線、落ち着きのある温和な女性像が特徴の作品は、不変的な「愛」の形やそのあり方を私たちにやさしく問いかけてきます。
 川口駅東口デッキ上にある「人魚の母子」(写真左)は目にしている方も多いと思いますが、その他にも幸町1丁目のライオンズシティ川口前(写真中)、川口銀座商店街や朝日環境センターなどで作品を見ることができます。また本町一丁目の公園には、作家の想いのこもった作品があります。(写真右)
芸術の秋には、歩く速度をゆるめながら屋外にある彫刻作品をゆっくり鑑賞してみてはいかがでしょうか。普段は気付かない発見があるかもしれません。

岩田健氏の作品は、「岩田健 母と子のミュージアム開館記念 岩田健・西耕三郎・黒澤正 展」 (9月7日〜20日)でもご覧になれます。


「人魚の母子」           「風の母子像」      「空からの火 -川口の母-」

アトリアニュース 2010年9・10月号掲載  
~川口の匠編~
神輿をつくる大工さん

空の青さがまぶしい「祭り」の季節がやってきました。
祭りの象徴でもある「神輿(みこし)」には、木組・彫刻・装飾・塗装など多くの美技が集結しています。 川口市在住の栗田昭一さんと弟の昭二さん(写真:右)は、建設業を営む大工でありながら地元の町会の神輿をゼロから作りあげました。「神輿を作ることは家を作ることと大差ない」と柔らかな口調で語る栗田さん。しかしその制作工程からは、宮大工にもひけをとらない精巧な技と地道な研究の跡がうかがえます。(写真:下左・下中)
 約6年前に完成したという神輿は、ケヤキの木肌が美しく、シンプルながらも重厚な佇まいで、狛犬ではなく麒麟が神域を守っているのが特徴です。各地の神輿を調査し、先代の親方が残してくれた昭和初期の貴重な製図(下右)を参考にしながら図面を引き丁寧に制作されました。
神輿鑑賞のポイントは、その土地ならではの特徴を楽しむことにありますが、やはり一番は「担ぐこと」だそう。
さあ今年は神輿鑑賞を楽しみながら、たたら祭りに参加しよう!

※栗田さんが作った神輿は「青木中央町会」の神輿担ぎで見ることができます。
  

アトリアニュース 2010年7・8月号掲載
〜風物から知る川口の文化〜
 風薫るこの季節には、市内でも様々な風物が見られます。
旧芝川(さくら橋付近)や川口市立グリーンセンターでは、端午の節句を祝い色彩豊かなたくさんの鯉のぼりが大空を泳ぎます。(写真①)
また毎年5月24日には、ワラで10メートルもの蛇をつくって大木に設置し豊作などを祈願する“安行原の蛇造り“(市指定無形民俗文化財)が行われます。(写真②)安行ならではの独特な民俗芸能は、一見の価値ありです。
そして水田では、いよいよ田植えの時期を迎えますが、川口にも農業に革新技術をもたらした歴史があります。昭和初期、鋳物業を営んでいた田原製作所は、精米時間を著しく短縮する効果のある米選機(良質な玄米を選別するための農業機械)を開発し特許を得て東日本にそのシェアを広げました。創業者の田原宗重郎氏は美術品のコレクターでもあり、6月2日からはその名画をアトリアで一般公開します。
光あふれる新緑の中で初夏の風物を楽しみながら、川口の歴史と文化に触れてみてはいかがですか?


~田原家コレクションより~「寄贈の近代日本画展」
6月2日(水)~20日(日) 月曜休館 観覧無料



写真① グリーンセンターの鯉のぼり

安行原の蛇作り 写真② 安行原の蛇づくり

アトリアニュース 2010年5・6月号掲載
〜春の川口編 PART2〜
安行で「花」を鑑賞しよう!
 春うららかな “お花見”の季節になりました。古くから「花」は自然界の芸術品として人々を魅了してきましたが、特に「桜」には人を惹き付ける美学が隠れているようです。
 実は川口にも安行の植木職人 小清水亀之助氏が栽培し全国に広めた「安行寒桜」という品種があります。花のピンク色がやや濃く、染井吉野より一足早く満開を迎えるのが特徴で遠くから見ると柔らかな印象を受けます。例年より一週間早く開花した今年は3月下旬に満開になり、密蔵院(安行原)では空一面を覆ったこの桜のトンネルが鑑賞者を楽しませていました。(写真①)
 花の美しさは儚さにこそあるという説もありますが、せっかくなら1日でも長く鑑賞していたいもの。 そんな想いを叶えてくれるのがGREEN ART TEAM(安行領根岸)で行なわれる「安行百花展」。 この展覧会では、桜をはじめ四季折々の花の絵が約130点展示されます。生花を見ている時には 気付かなかった花の表情や命の営みが、絵画を通して発見できるかもしれません。
 また川口緑化センター樹里安では、安行寒桜の花を使用した「樹里安アイス」などを開発し好評販売しています。桜花の摘み取りから塩漬けそして陰干しまですべて手作業で行われ花の香りとミルクの風味が楽しめるアイスです。
 この春は、川口で桜三昧を楽しんでみては。

密蔵院
     写真①  桜が満開の密蔵院

安行百花展
第6回「安行百花展」
油絵・日本画・版画などによる「花」を主題とした展覧会
開催 4月27日(火)~5月1日(土)  12時~18時
会場 GREEN ART TEAM (川口市安行領根岸外谷田3040-6)


樹里安アイス
樹里安アイスは、市内の料亭やレストラン等で限定販売しています。
桜花塩漬け製作:すいーつばたけ(社会福祉法人めだかすとりぃむ)



春の園芸フェスタ 2010
開催 5月29日(土)・30日(日) 10時~18時
場所 川口駅東口 キュポ・ラ広場
主催 (財)川口緑化センター

月刊アトリアニュース2010年4月号掲載
〜春の川口編〜
お散歩しながらアートを楽しむ「KAWAGUCHI 39 ART 2010」
川口では、毎年3月に「KAWAGUCHI 39 ART」という街中アートイベントが行なわれています。
このイベントは、川口のギャラリーやカフェ・レストラン、またスタジオ(工房)やショップなどが協働で行なっているもので、それぞれが独自の企画展を開催しそれらを集約した特別アートマップを作って配布します。

元々は、現代美術家の開発好明さんが提唱した、毎年3月9日を「アートの記念日にしよう!」という39ARTプロジェクトに、市内のアート関係者が参加したことがきっかけでしたが、その活動と想いが時を重ねてゆっくりと浸透していき、第6回目となる今回は過去最多の40会場が参加しています。
街のアートブームが盛り上がりを見せる中、市民主導型の地域イベントとしても注目を集めています。
ぜひこの機会に、マップ片手に展覧会を楽しみながら、街歩きをお楽しみください。
普段はなかなか入れない作家の工房や、今まで気になっていたけど入れなかったカフェやショップに思い切って入れるチャンスです!
※アートマップは、参加している市内の40会場や関連施設などで配布。また、公式HP(KAWAGUCHI 39 ART)からもダウンロードができます。

主催:ふらりあーと川口実行委員会  ※会期や定休は、会場により異なりますのでご注意ください。

月刊アトリアニュース2010年2月号掲載
〜ギャラリー編〜
川口太陽の家・工房 集

社会福祉法人みぬま福祉会の一つの組織「川口太陽の家」の分場として2004年にオープンした「工房集」。障害者が集うこの施設から、数々の美しい「美術作品」が生みだされている。
通常、社会福祉施設では機械部品の組立てやパン作り等の仕事の時間があり、太陽の家でも同様に行ってきた。しかし障害の程度は皆異なり入所者の誰もができるわけではない。取り組めることをいろいろ試してみてたどり着いたのが絵画などの創作活動だった。楽しそうにずっと向き合っている。そして何よりも、生みだされたものの素晴らしさが際立っていた。スタッフは創作し表現する活動が彼らの「仕事」として社会的に認められるようにと奮闘し、美術家の中津川浩章さんをはじめとして、建築家やデザイナーなどの力を借りながら、作品を制作する工房と展示・販売をする場として「工房集」を設立した。
年に3・4回の展覧会を開催する他、各地美術館やギャラリーでの作品発表も多く、近年はエイブルアートカンパニー(※)が仲介する商品開発にも取り組んでいる。入所者は現在22名。各自のペースで自由に創作活動をしている。見学はいつでも可能だが活動内容がさまざまなので事前に電話で確認を。 ※障害者のアート作品を商品化したりデザインとして使える仕組みづくりを行っている民間機関。

☆川口太陽の家 工房集
〒333-0831 川口市木曽呂1445
TEL:048-290-7355
FAX:048-290-7356
JR武蔵野線東浦和駅より徒歩15分

<写真>雑誌の表紙や、ファッションブランドの商品に、入所者の作品が使われている(中)  部屋のいたるところに作品が飾られている(右)

☆工房集の作品が見られる!
◆マキイマサル ファインアーツ  「佐々木省伍 齋藤裕一 二人展(仮称)」  (東京都台東区 2/19(金)〜3/2(火) 日曜日は休廊)
◆社会福祉法人光林会 るんびにい美術館 「Art Galaxy−星の祝宴−」  (岩手県花巻市 〜2/16(火) 水曜日・年末年始は休館)
月刊アトリアニュース2010年1月号掲載
〜匠の技 編〜
西洋額縁の職人

色・形・装飾でその絵の魅力をより際立たせる「額縁」。実はこの額縁には、木材を加工し形を作り出す木地師、表面の模様を彫る彫り師、金箔押しなどを行なう塗師、それぞれの職人技が集結している。
上青木西に工場を構える「並木木工所」は、この3業種が揃う日本でも稀な額縁専門の工房で、国立西洋美術館、石橋財団が運営するブリヂストン美術館・石橋美術館、またポーラ美術館など全国の名高い美術館からその仕事を請けており、国内はもちろんピカソやルノワールなど世界の名作の額縁製作・修復を手掛けている。本場のヨーロッパにも引けを取らない高度な技で、これまでに500点以上の額を修復している。その仕事は実に精巧で、美しい—。

額縁は絵画を惹き立たせるだけではない。歴史を越えて画面を守り、画家の筆跡やその想いを後世に伝えていく大切な役割を担っている。代表の飯塚氏は、師匠である長尾広吉氏(※)が追求し続けた元来の「西洋額縁」の素材と技にこだわり、その精神を今日まで絶やすことなく守り続けてきた。
受け継がれてきた絵画の影には、美と強度そして性能を追求した額の存在があり、そこには額縁製作に生涯をかけた職人たちの姿があった。

◎並木木工所の額縁は、国立西洋美術館の常設展<羊の剪毛>セガンティーニ作(新収蔵作品)でご覧になれます。
※長尾広吉・・・黒田清輝らと渡仏し明治元年に(山本芳翠の指導のもと)日本で始めて西洋額縁の製作に成功した長尾健吉氏の孫。

<写真> 並木木工所の作業場で額縁を制作する職人(左)と代表の飯塚氏(右)▲
月刊アトリアニュース2009年12月号掲載
〜モニュメント・アート編〜
川口駅前(東口)のライオン

川口駅を利用したことがある人なら、1度は目にしているはずの“ライオン”。
なぜこんな屋上にライオンが!(写真左)と思った人も少なくないはず。という訳で、今回はこのライオンの謎に迫ります。
当時を知るこのビルのオーナーによると、ライオンが設置されたのは平成8年。当時テナントに入っていた店舗が「とにかく目立つものを」と、会社のイメージキャラクターにちなんで作ったそう。なんと当時は、目が赤く光り、5分に1回前足が上下に動き、夜は赤・黄・緑色でライトアップされていたというから驚く。(今は省エネのため残念ながらお休み中)
FRP(硬化プラスチック)で作られているこのモニュメントは、23分割されトラック7台に分けて運ばれてきた。製作は三重県内の会社が8ヵ月かけて行なったが、中の骨組みは市内の鉄工職人が手掛けている。(写真中央)
設置時には、レッカー数台を無線で誘導しながら鉄骨を吊り上げ、屋上で組み立てられた。「大がかりな設置作業は、モニュメントというより建築物という感覚だった。」と設置に携わった方は語る。
今回特別に屋上へ案内してもらい間近で見たが、全長25Mをほこるその大きさは広告塔の域を超えていて、モニュメントの中でも群を抜いて大きい。ライオンの足元に立つアトリアスタッフが見えるだろうか…!?(写真右)
設置から13年。移り変わりの激しい街の様相を、“百獣の王”はどんな心持ちで眺め続けているのだろうか。
月刊アトリアニュース2009年11月号掲載
〜建築編〜
旧田中家住宅

国道122号線沿いにそびえる旧田中家住宅(川口市立文化財センター分館/末広1丁目)。大正10年から3年間かけて建設された洋館と、昭和9年に増築された和館などから成る敷地面積2444㎡の大邸宅だ。
洋館はデザイン性に優れた優美な外観で、煉瓦積みの壁、非対称の建物構成などが見どころだ。内装にはおしゃれな幾何学模様のステンドグラスが施されていたり、部屋ごとに床・壁・天井のデザインを違えていたりと細部までこだわりが感じられる。建設は多くの地元の職人が手掛けたとのこと。彼らの高い技術を堪能することができる。和館は4代目田中德兵衞が政界に進出していた時期に増築された。1階の日本間は3室の襖を開け放すと37畳という広さで、接客用に使用されていたようだ。
10月4日からは、鏑木清方の作品に代表される「田原家コレクション」(市所蔵)が特別に公開される。美術の秋をご堪能あれ!
問合せ:048-222-1061(川口市立文化財センター)

田原家コレクション巡回展〜寄贈の近代日本画公開〜
日 時:10月4日(日)〜11日(日) 9時30分〜16時30分
入館料:無料(ただし入場料200円が必要となります)
問合せ:048‐258‐1116 (文化推進室)
月刊アトリアニュース2009年10月号掲載
〜ギャラリー編〜
masuii R.D.R gallery & shop

masuii R.D.R gallery+shop(幸町3丁目)は、市役所前通り沿いにある一際目立つ、前面ガラス貼りの瀟洒な構え。「少しでも多くの方にアートへの関心を持ってもらいたい」との思いのもと、2004年にオープンした。気鋭の若手建築家の手により、昭和36年に建設されたUR都市機構住宅の店舗部分の一画をリノベーションし誕生した、特徴あるギャラリーだ。
展示の設営や広報、時には作品の方向性などについても相談を受け入れてきたギャラリーのマネージャーの増井真理子氏は「同年代の若い作家さんを応援したいという思いがあります。関わっていくなかで作品が良い方向へ変化したり、より大きな舞台へと巣立ってゆく姿を見られるのは嬉しいですね」と話す。 9月6日(日)まで企画展「川口アジアン・アート・プロジェクト」(川口市文化振興助成事業)を開催している。アートは心を豊かにし、ものの見方に変化を与えてくれるもの。「今日は何をやっているかな?」と気軽に立ち寄ってみては!
月刊アトリアニュース2009年9月号掲載
〜インダストリアル デザイン編〜
マンホールの蓋(ふた)

鋳物製のマンホールの蓋は、よく見ると様々なデザインが施されている。
これらは、全国の自治体が下水道事業に理解と親しみを感じてもらうために、各市の名所や特産物、鳥や木などをデザインに織り込んで製作したもので、川口にも鉄砲ゆり(市の花)とその周りに竹籠の網目がデザインされた蓋がある。(①)この蓋を製作している長島鋳物株式会社(本社/仲町)は、国内でも珍しいマンホール専業メーカーで日本各地のマンホールを手掛けており、年間約9万枚生産しているという。 リボンシティ内マンホールふじの市商店街通りのマンホール川口市のマンホール また、川口駅東口のふじの市商店街通りには、12星座と誕生日などがデザインされタイルで色づけされている華やかなマンホール蓋(②)があり、リボンシティ(並木元町)には旧サッポロビール埼玉工場で実際に使われていた社章入りのマンホール蓋(③)が、敷地内に埋め込まれて展示してある。
街の中には芸術性豊かなマンホールがまだまだあるので、歩いていて気付いた時には立ち止まり、ゆっくり鑑賞してみては。
足元にこんな芸術作品が!と宝探し感覚で楽しめます。

【参考図書】
「日本のマンホール」 —写真集 (日本篇) 林 丈二
「路上の紋章」マンホール蓋デザイン200選  監修・建設省下水道部
※長島鋳物株式会社が製作したマンホールが掲載されています。
月刊アトリアニュース2009年8月号掲載
〜建築編〜
旧「鍋平」別邸のステンドグラス

川口一古い町並みが残る旧日光御成道(本町一丁目/金山町)周辺。江戸時代の街道の面影と、鋳物産業華やかなりし頃の建物などが残る。旧鋳物問屋「鍋平」別邸(現川口市母子福祉センター、登録有形文化財(第11-0029〜0031号))もそんなスポットのひとつだ。
門を入り左手に見えるアールデコ風の建物は実はトイレで、男性用と女性用それぞれに美しいステンドグラス(昭和14年作)が施されている。
ガラス素材はベネチアのものだが、松の浜辺のモチーフや色彩の取り合わせは日本画に通じる。また外の景色がぼんやりと透けることで季節や時間のうつろいが感じられ、日本の庭園と同じように「借景」を楽しむことができる。和洋が融合した見事な作品だ。
ステンドグラス研究家の田辺千代氏によると、「日本のステンドグラスの歴史は、西洋諸国の一千年の年月に比べるとわずか百数年という若さである。しかし決して稚拙ではない。世界の作品と比べてみても決して引けはとらない。外国の作品にはない清楚で静かな日本独自の世界がある」とのこと。「鍋平」別邸のステンドグラスもまさにそんな秀作の一つである。ぜひ一度はご覧いただきたい。

※一般見学可。ただし母子福祉センターの業務が優先されます。
※参考:『日本のステンドグラス—小川三知の世界—』文 田辺千代・写真 増田彰久、白揚社、2008年
月刊アトリアニュース2009年6月号掲載
〜パブリックアート編〜
「豊かな想い」富田眞州

アートに出会えるお散歩スポット・リリアパーク(川口西公園)。
川口駅西口に隣接するこの公園には、有名な彫刻家の作品14点が設置されている。
その中の、富田眞州氏(川口市生/彫刻家)による作品『豊かな想い』(1992)は、よく見ると無限大(∞)の形をしていて、柔らかい輪郭線から優しい印象を受ける。 「未来への豊かな想い、喜び、そして希望。無限に広がる人々の清らかな願い。未来に受け継がせたい環境と人間の営みを…」と語るのは、原型から鋳造まで一貫して自ら制作を手掛ける作家の富田氏。
天気の良い日には、公園内を散歩しながら作品鑑賞を楽しんでみてはいかがでしょうか?
月刊アトリアニュース2009年6月号掲載